「チャートを見ていると、どうしてもエントリーしたくなる」
「少しでも値動きがあると、置いていかれる気がして飛び乗ってしまう」
この感覚、痛いほどよく分かります。いわゆる「ポジポジ病」です。私もかつては重度のポジポジ病患者で、根拠のないエントリーを繰り返しては資金を溶かしていました。
しかし、あることに気づいてから劇的に成績が向上しました。それは「トレードは、待つ時間が9割」という事実です。
1. なぜ私たちは「待てない」のか?
私たちは日常生活で「行動すること」に対して報酬を得ることに慣れています。会社では働いた時間に対して給料が出ますし、勉強すれば知識が身につきます。
しかし、トレードは違います。「余計なことをすると、お金が減る」という特殊な世界です。
チャートを眺めているだけの時間は「何もしていない(=稼いでいない)」ように感じてしまい、無意識に「クリックする(=仕事をする)」ことで安心感を得ようとしてしまうのです。
2. ポジポジ病の正体は「機会損失への恐怖」
プロスペクト理論と並んで厄介なのが、FOMO(Fear Of Missing Out:取り残される恐怖)です。
「今買わなきゃもっと上がってしまう!」「このチャンスを逃したら次はいつ来るかわからない!」
この焦りが冷静な判断を奪います。しかし、断言します。相場は逃げません。明日も明後日も、10年後も動いています。 今のチャンスを逃しても、必ず次のチャンスが来ます。
3. 誓い①:わからない相場は「休む」が正解
私が壁に貼っている言葉があります。「休むも相場」です。
レンジなのかトレンドなのか分からない、指標発表前で乱高下している、自分の得意なパターンが出ていない。そんな時は、勇気を持って「何もしない」を選びます。
「ノートレード(No Trade)」は、資金を1円も減らしていない時点で、無駄なエントリーをして負けたトレーダーよりも優秀な成績なのです。
4. 誓い②:トレード回数=利益ではない
スキャルピング=数多く取引すること、と思っていませんか?
確かにデイトレードより回数は多いですが、むやみやたらに打つわけではありません。プロのスキャルパーほど、狙い澄ました「必勝パターン」でしか入りません。
1日100回トレードしてトントン(利益ゼロ)よりも、1日3回トレードして3勝0敗の方が、精神衛生上も資金効率も圧倒的に良いのです。
5. 誓い③:トレード記録で客観視する
ポジポジ病を治す特効薬は「記録をつけること」です。
- なぜそこでエントリーしたのか?
- その時の感情は?(焦っていた、退屈だった、など)
これを書き出すだけで、「うわ、自分めっちゃ適当にエントリーしてるじゃん...」と客観視できます。自分の愚かさを自覚することが、治療の第一歩です。
スマホのメモ帳でOKです。エントリー直後に「理由:直近高値更新、MA反発」など一言メモる癖をつけてください。理由が書けないなら、そのエントリーは見送るべきです。
6. まとめ:待つことは、稼ぐこと
トレードとは、ハンターが獲物を待つのと同じです。獲物が射程圏内に入ってくるまで、じっと息を潜めて待つ。これができなければ、逆に自分が相場の餌食になります。
「待つ」という行為は、消極的な姿勢ではありません。「資金を守り、確実に増やすための積極的な戦略」です。
今日から、チャートを開いてもすぐには注文ボタンを押さないでください。まずは深呼吸して、「今、本当にエントリーすべきか?」と自分に問いかける時間を作ってみましょう。
焦らず、自分のペースでトレードしよう
EXNESSはスキャルピング制限なし。自分のタイミングで、自分の得意な時だけ戦えばいい。
焦る必要はありません。